桜満開で花見ドライブ――ウツも回復する予感

重いウツ状態で、約4ヵ月間横になってすごしてきたせいで、体力がひどく衰えた。しかし今日は快晴の土曜日で桜も満開とのこと、夫の運転で久々に出かけた。4ヵ月間は、病院への受診とたまに頑張って買い物に連れていってもらっただけで、ほとんど引きこもりだった。
車で桜の名所からプチ名所、夫おススメの桜スポットを2時間かけて回った。薄紅の花はほんとうに満開で、たわわに咲いて風に揺れていた。名所には、まだコートやジャンバーを着た人々が三々五々スマホ片手に撮影しながら歩いていた。人手のなかをゆっくりと車をころがしながら、桜の花を見上げていると、抱えてきたウツの辛さが洗い流されるように感じた。「もういいよ。もう苦しまなくていいよ」と桜の花びらが揺れながら笑いかけてくれるように感じた。
昨年の春に逝った母はお花が好きだった。だから桜をともに愛でるのも毎年恒例だった。夫とそんな母との思い出を話しながら、泣いていない自分に気づいてハッとした。このたびのウツの再発は母を突然になくした悲しみがキッカケだったからだ。
思えば厳冬だった今年、桜のつぼみが寒風にさらされている間、私はその冷え込みとともに淋しさに涙し、どうすることもできないウツの辛さに苛まれつづけた。
大好きな桜がいっせいに咲きほこると同時に、快復期がようやく始まってくれたようで、さすが桜!と思いながら、誘い出してくれた夫に感謝しながら言った。
「ねぇ、私よくなりはじめたかも」
「うん、僕もそう思うよ!」夫はそう言って、私のほっぺたを指でなでてくれた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました