まあるい心
かかりつけのメンタルクリニックの先生が使っておられるコピーです。許可をいただいて使わせていただいています。
四角い心ではなく「まあるい心」、とげとげした心ではなく「まあるい心」――円満で健康的でいいですね。優しさも漂ってくる。
気分障害(双極性Ⅱ型障害、躁ウツ病)を抱えた私やあなたに必要な心のありようだとおもいます。一番大切なのは、自分を包み込む優しい心。まあるくまあるく抱きかかえるような心。そんなおだやかで温かい心の人になりたい。
私、数面前にはそんな自分になれてたんです。気分障害を乗り越えて、笑顔の緩解期が続いていました。たしかに「まあるい心」でした。それがまさかの再発は、辛いものでした。現在(2003年冬)は回復期にあるように思いますが、心はいまだしぼんでします。
以下に再発した経緯を書きます。
数年ぶりにウツが再発
昨年春に母を、秋には父を亡くしました。
2度の家族葬が終わり、肩の荷がおりたところで、重いウツ状態が一気に襲ってきました。実に数年ぶりのウツの再発。身の置き場のない辛さ、息をするのも苦しく、起きていられない状態。横になって、ひっきりなしに襲ってくる悲しみに涙しながら、なす術のない日々でした。
静養入院
主治医の指示で静養入院をしました。県内にはストレスケア病棟を持つ病院がない(つまり雑居病棟)ため、片道3時間半もかかる県外の病院に決まりました。
入院予定は3ヵ月。がしかし、私は双極性Ⅱ型障害(軽躁状態とウツ状態を繰り返す気分障害)のため、あんなに重かったウツ状態が、入院して間もなく消えてしまったのです。双極の場合、なにかのキッカケで躁状態に気分があがります。入院をして、周囲に同じ精神疾患の辛さを抱えた患者さんがいること、ドクターや看護師さんがいることなどが刺激になって、元気になってしまったわけです。これを躁転(そうてん)といいます。私の場合はⅡ型なので、躁状態といっても軽く、とても心地よい元気な精神状態を呈することになります。つまりウツがかげを潜めてしまったのです。
退屈さから早期退院
その病院はせっかくのよい環境だったし、マインドフルネスなどのプログラムも受けれたのに、3週間近くたったあたりから、退屈に悩まされました。患者さんの多くが自室ですごすこともあって、病院の予定が何もないときはデイルームでひとり編み物ばかりをしていました。消灯時間になると編み物道具を返すルールで、そこからの時間が、気がどうかなりそうなほど退屈で、都合のいい言い訳をつけて先生に頼んで1ヵ月で退院してしまいました。これは完全な失敗でした。
退院後始まった本格的なウツ状態
日常の暮らしに戻って、元気だったのはほんの束の間、激しいウツ状態に見舞われました。軽いとはいえ、躁状態からのウツへの転落・・・それはそれは地を這うような地獄の始まり。ウツの苦しさと同時に、両親を失った悲しみもひっきりなしに襲ってきて、絶え間なく泣いていました。
クリニックへの受診は1週間おきになり、少しずつ薬の調整が始まりました。なによりも、毎週主治医に会えることは救いでした。
食事、トイレ、シャワー以外の時間、辛くて起きていられず、ずっとベットに横たわる日々が長く続きました。人間、重力にさからわずにすごすと、どんどん体力が衰えていくことを思い知りました。そんな暮らしが一年を過ぎたころ、このままでは歩けなると実感するほどの体力減退に怖ろしくなりました。しかし幸い、しっかり静養したおかげか、重度のウツが薄皮をはぐように楽になっていき、起きていられる時間が少しずつ長くなっていきました。起き出したころは、座っている自分の身体をまっすぐ支えるのも困難なほどでした。足も弱り、よちよち歩き。八ヵ月たった今も足のチカラは戻っていません(2023年11月現在)。
少しずつできることは増えてきていますが、大好きな趣味の編み物の気力がなかなか戻りません。特にYuTube動画をアップしている編み機への気力がしぼんでしまっているのが残念です。